たびたび洪水に見舞われる「輪中」という過酷な風土の中で、祖先たちが語り継いできたお話です。

 

「どんな時も人を見捨ててはならない!」と祖先たちは語りかけてきます。

 

人形とお芝居・全編生演奏でつづる「うたものがたり あほろくの川だいこ」。人権教育の一環として是非お取りあげください!

なごやこどものための巡回劇場 中村文化小劇場ホール

ものがたり

 

美濃と尾張の間を木曽川・長良川・揖斐川が、まるで蜂の巣のように流れていた頃のお話です。

ある嵐の翌日、一人の若者が川の中を流されてきました.

男は目も見えず、その上自分の生まれた村や名前まで忘れてしまっていたのでした。

あほろくは川を流されてきました。

 
 

庄屋の娘たちと
おとくばあさと草刈


若者は「あほろく」と村人に呼ばれ、その村で暮らすことになりました。

昔は川の堤防が低く、大雨が降るたび大水が村を襲いました。

そこで「あほろく」は大雨の日、川の堤に立ち川の様子を太鼓をたたいて知らせる「川太鼓」の仕事を引き受けることになります。

 
 

「あほろく」は雨が降るたびに堤に立ち太鼓を打ちました。そのおかげで村は大変助かりました。

ある日、強烈な嵐が村を襲いました。

ろくは川の堤にしっかりと立ち、太鼓を打ちつづけました。

川だいこを教わるろく

 

いつまでもろくは太鼓を打ち続けます。

足まで水が来ても・・・腰まで水が来ても・・・肩まで水が来ても・・・
ろくは、力の限り太鼓を打ち続けるのでした。

村人に危険を知らせるために!


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あほろくの川だいこ制作スタッフ

原作/岸 武雄(ポプラ社刊)
構成・演出・人形美術/丹下進 
音楽/岩瀬よしのり
照明/福田晴彦(自由舞台) 
太鼓指導/吉村城太郎
民謡指導/岩井静枝


  • 上演時間 約90分 途中休憩10分含む
  • 使用楽器 筝 ピアノ フルート シンセサイザー マリンバ 太鼓 パーカッション等
  • 上演料など 詳しい情報は事務所までお問い合わせください。☎0568-51-4199 もしくはお問い合わせフォームより 


スタッフの言葉

 

木曽三川

作者 岸 武雄

児童文学の作品には、たいていの場合すばらしい主人公が登場します。正義感に燃え、しかもやさしい心の持ち主で、この主人公が世の邪悪に対して胸のすくような活躍をするといったような物語が多いようです。

ところが、この「あほろくの川だいこ」には、そんな憧れの人物は出てきません。「あほろく」は一応主人公ですが、目の見えない記憶喪失の「よそもん」なのです。そして、ついにあわれな最後をとげてしまうのです。

私がなぜこんなマイナス的要素の多い物語を書いたかと申しますと「児童文学は、やがて大人になろうとする子ども達に、「人生をのぞかせる」ものであり、また別の言葉でいえば『人間とは何ぞや』の問いに対する限りなきアプロ-チである」と信じるからです。大変むずかしい問題のようですが、心のやわらかな子ども達は敏感にとらえてくれるようです。
教室でとりあつかってみますと、子ども達はエゴイズムの村人の中に「自分の分身」を見つけ、「人間の罪」についていろいろ感想を語ってくれます。

今回、日ごろ尊敬する「鬼剣舞」によって上演される運びとなりましたことは、原作者にとって光栄なことであり、その成功を心からお祈りする次第です。(初演時に寄せて頂いた文章)

演出/丹下進

演出/丹下進

芸術の仕事は「日常生活の中で人間として忘れてはならないことをふっと拾い上げてみんなで考える」その為にあるのだと思います。「胸に手をあてて『見捨てられている人』のことを考えてもらいたい」そんな思いでこの作品に取り組みました。

音楽:岩瀬よしのり

音楽/岩瀬よしのり

この作品の舞台である「ろくの渡し」は大垣市の北東にあたる現在の岐阜県瑞穂市巣南町の揖斐川沿いにあります。

木曽三川に暮らす人々にとって「水」は豊かな自然の恵みであると同時に洪水をもたらす恐ろしい存在でもありました。歴史をひもとけば江戸時代前期145年間に100回以上の洪水があったとされており、その想像を絶する洪水の数は木曽三川沿いに暮らした祖先達の苦悩を如実に物語っています。

また江戸初期には「御囲堤」がつくられ、美濃の国の堤は尾張側より常に三尺低くなければならなかった歴史的苦悩もそこに重なっているのです。

「あほろくの川だいこ」に、私はそうした地域にくらした祖先達の魂の声を聞くような気がします。その声は「勝ち組」「負け組」という言葉に象徴されるような現代の不条理さにも警告を呼びかける声でもあります。

このお話しを一人でも多くの子ども達に観てもらいたい。そして「人間らしさとは何か」をかいま見てもらうきっかけとなれば幸いです。


子ども達や先生方・保護者の皆様の声

 

あほろくの川だいこ

あほろくの川だいこ
いちばんよかったところは、どんなにつらい目にあってもがまんして、いろんな人をたすけた あほろくが一ばんいいとおもいました。あほろくはぜったい、あほではない とおもいました。1年・女の子

  • がっきの音がしんぞうにひびきました。おもしろかったです。ひとりで4人ぐらいの人を演じてすごかったです。3年・男の子
  • ろくにおにぎりをあげる場面をみて、ぼくは、おとくばあさんのような思いやりがある人になりたいと思いました。ぼくのおばあちゃんも目が見えないので、おとくばあさんみたいに、助けてあげたいと思います。5年・男の子
  • ろくの純粋でひたむきな姿に心うたれる、素晴らしい内容でした。また、いろいろな楽器が奏でる美しい音楽と、表情豊かな語りで、子どもたちだけでなく私たち大人も、いつの間にか話の中に引き込まれてしまいました。先生